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「職人手作りの賢いセカンドハウス」BO BEDRE 2019年7月号

"selvbyggerens kløgtige fritidshus"



Jens-Christian Carlsson氏はスマートな機能やディテールあふれる夢のようなセカンドハウスを彼自身で建てました。動機は好奇心。限られた予算内であるため独創力を最大活用, 林の静寂さがインスピレーションとなってこの家は完成。


Tekst Trine Jørck Foto andreas mikkel hansen



手作りは最高

この家はできるだけ低コストで作るという目標がありました。Jens-Christian氏はすべての工程を彼自身の手作りによって、全建設費は50万クローネ(約¥800万)で完成させました。

内側と外側

天気の良い日はキッチン家具をテラスに出すことが可能。家の内側と外側が一体化されます。




2012年、Jens-Christian Carlsson氏は妻と二人の娘とともにSejerø入江近くのEllinge Lyng地区で安価な土地を購入しました。購入時土地の建物は小さな小屋のみでした。2014年、彼はその小さな小屋を土地の隅に移動し、自分の家を建てることに着手しました。彼には建築に関して二つの考え方があり、1つ目はできるだけ建設費を抑える事。そうする事で、もっと自由に楽な気持ちで家を使用出来るだろうと思っていました。二つ目は材料を可能な限り丈夫なものを使用して建てる事。家族が普段過ごしている都会の喧騒した生活から離れて、自然を楽しめるオアシスになって欲しいと願ったのです。そのため、家の形やインテリアには常に自然を感じることが重要でした。全て個人手作りによって製作したので夏の間しか作業出来ない為、4年の年月をかけて、Jens-Christian氏のアイデアや夢は実現されました。

Jens-Christian Carlsson氏は木工家具職人や工業デザイナーの資格を習得しています。彼は2006年からデザインやインテリアを提供するBarlby Carlsson社を経営していて、顧客のなかにはMads Nørgaard, Ganni, Stine GoyaやShamballa Jewelsなど多数。会社で彼は問題解決者の役を果たしており、ミスや故障をいつも創造的な方法で解決します。そのため、彼がかかわるプロジェクトは予想できない新しいアプローチに展開します。

実用的な職人経験が豊富なJens-Christian氏ですが、それまで彼自身が家を建てることはありませんでした。2014年から2018年までの4年間、彼はすべての休日を家の建築に費やしました。幸いなことに着手する段階で既に彼は木の切り倒し方、掘削機の操作、下部構造の作り方、鋼耐力構造の建て方、壁の作り方、暴風に耐えられる巨大の窓を家の入口に設置する事などを習得していました。徐々に家を作る段階で、様々な面白いアイデアが湧いて、家族のニーズに合わせながら、各部屋が素晴らしい空間になる機能や、細部に渡り構想を練る事になりましたが自分なりの発想で辿り着いた結果には満足。キッチンはその例の一つです。

Jens-Christian氏は料理を作ることが得意で、戸外で多くの時間を費やすことも大好きです。室内のキッチンやアウトドアのキッチン両方を作る代わりに、彼は自身が持つ職人の腕を活かして、玉軸受が付いている家具をデザインし、製作しました。天気が良い日は、キッチンを直接テラスまで回転させて、調理可能にしました。電気や水道の設備はキッチン家具の片方にある樽のような物の中に通しています。キッチン家具の台には凹型のトレイが付いています。ここにハーブ、スパイス、油やカトラリーを収納できます。さらに、キッチンの中央位置の小さな扉の下に電気でつながっているハンドミキサーやブレンダーの場所を作りました。こうすると料理中に、必要となる道具が手元に保管されます。本人に言わせると、休日のときはテキパキとなおかつ気楽に料理したいとのこと。

 キッチンはすべての設備をまとめている技術部屋のとなりにあります。その技術部屋の反対側にはバスルームがあり、バスルームもコスト削減の観点から様々な解決策が考案されています。例えばバスルームの床。本人の工房で余った石を使って切り合わせることにより、自然な排水口ができました。バスルームの壁は通常外壁に使用される材料からできているので、防水加工されています。小さな白いランプはJens-Christian氏が数年前ベルリンの市場で見つけたお気に入りのものであり、いつか役に立つと思ってずっと取っておいた思い込みのある物。家全体の照明に関しては照明の継手や仕口が見えないように、天井からの直線ラインでLED照明が取り付けてあります。その上、一つのラインの照明が、必要に応じて点けたり、消したりできるゾーンに分かれています。木工家具職人の経験を活かして、木工部分はきめ細かい工程により家中ネジが一切、表に見えません。

 室内は自然を楽しめるように様々工夫されています。まず、隣の家が見えない様、隣の家に面する側面には窓を設置せず、反対側の庭に面する側は大きな窓を設置しました。隣の土地も家が建てられないように購入しました。家の中から外を見ると、自分が大きな林の中心に座っている感じがします。大きな窓を取り付けた事で内側と外側の境目がなく夏になると、その窓を全開し、手前のテラスが家の一部となります。テラスと家の床が同じ高さなので、家の大きさが二倍になるような感じに。家の表面はすべて木製のため自然との調和が楽しめます。天窓によって日中は自然の光がたっぷり入り込み、夜になるとベッドから空の星がたくさん見れます。

家の至るところまでこの家に暮らす家族のニーズに合わせた実用的なフィニッシュや工夫が伺えられます。この家は他の家とはまったく別、とてもユニークです。Jens-Christian氏の説明によると、家が建築プロセス中、何回も元の設計を変更し、新しいアイデアを取り入れたとの事。Jens-Christian氏は他の多くの人と違って、インスピレーションを得るためPinterestやソーシャルメディアを使いません。自然、職人の腕、予算、直面する課題は彼自身のインスピレーションで製作されました。



腕利き

Jens-Christian氏は家全体に作り付けの家具を配置させ、リビングの椅子やソファテーブル全て彼自身で製作しました。

作り付け家具

木製のキッチン家具も大きな本棚も作り付け。休日はJens-Christian氏の趣味の1つである読書のための沢山の本も収納可能。LED照明が天井に作り付けられ、天井板の接合部を隠します。












家具としてのキッチン

冷蔵庫、食器洗い機やオーブンといった家電はすべて、家の雰囲気とうまく溶け込むエレガントな木製キャビネットに隠して収納。

すべては手元に

スチール製やプラスチック製のトレイがアイルランドキッチン型の中に作り付け。必要なキッチン道具はいつも手元にある事はとても便利で作業が能率化。

エレガントなソリューション

アイルランドキッチンには玉軸受けを使って動かすことができるので、天候にあわせてテラスでも室内でも設置出来ます。

外へ、中へ

金属のレールが付けられているから、アイルランドキッチンを気楽に移動させることができます。

テラスへ

ご覧のようにアイルランドキッチンがテラスへ。



テラス、リビングや庭が一つになった

キッチンがテラスに移動させられ、すべてのドアを全開すると、内側と外側が一つになる。

歴史のある安価の家具

古いダイニングテーブルはJens-Christian氏の両親が使われたものです。赤い椅子はIKEAから。本人が手掛けた展示会で使用された後譲り受けました。大きないわゆる建築家ランプは最初、バルセロナで見かけて気に入っていました。その後、Light-Point社で同じランプを見つけ、展示用に使用されていた物を格安の値段で購入できました。ソファはFritz Hansen社から。自分が家まで運ぶという条件付きで友人が無料で譲ってくれました。カーペットはインドで買ったもの。ソファ前の椅子やソファテーブルはJens-Christian氏自身の製作。








一つの大きな空間

この家は一つの空間です。その空間の中央位置の廊下の両側に二つの「ボックス」が設置されました。一つのボックスには二つの寝室があり、反対側のボックスにはバスルームや技術部屋があります。家中の至る所に棚やクローゼットがあるので、収納には困りません。

星が見えるように

寝室は作り付けのベッドから屋根の窓を通して星が見えます。

天窓がたくさん

数多くの天窓からの自然採光が家を明るくします。

オーダーメード

他の部屋と同様にバスルームも木製です。小さな白い照明はベルリンで見つけました。バスルームの寸法に合わせたオーダーメードのコリアン製の洗面台はこの家での最も高価なものです。

すてきな工夫

湿度、気温の変化などによって木材がどう変わるか木工家具職人のJens-Christian氏は把握しています。そのため、壁や床の接合部では柔軟性のある材料のコルクを使用しています。



美学的な実力

床の汚れを考えずに自由に出入りができるよう、玄関の床には大きなマットが敷いてあります。Jens-Christian氏の協力パートナーであるBartmann Berlin社が玄関に置いてあるベンチをデザインしました。このベンチは収納可能な作りとなっています。

次世代の職人

テラスのテーブルやベンチはJens-Christian氏と長女が一緒に作りました。材料は家を作った後の余材を使って。

自然の流れ

家の前は苗床を作りました。周辺にいる多くの鹿は苗床の網に突っ込み、実や野菜を食べてしまいますが幸いなことに、ジャガイモやルバーブは食さないので、よく増殖しています。










<BO BEDRE 2019年7月号P.42>

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